演出に寄せて

「八木版『女の一生』の面白さ」
演出:西川信廣

『キエ〜囚われ女の日記』は、戦前から戦後にかけて昭和を生きた女性の半生記である。
横浜の椿という家を舞台に、そこに女中さんとして入ってきたキエという女性が、
その後、必ずしも愛情を持っていなかった長男と結婚し、椿家を支えて生きてゆく物語りは、
森本薫の『女の一生』を連想させる。
しかし、八木版『女の一生』は、横浜という土地柄がドラマに色濃く投影されている点と
キエとそれを取り巻く人々の内面に深く踏み込んでいる点で、森本版とは大きく違う。
昭和の横浜に生きた一人の女性を通して、
昭和という時代と日本社会の光と影が見えてくる作品である。


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